大人の階段

明治大学国際日本学部宮本ゼミ2期生のブログです。

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2012/07/03(Tue)

【第11回】今こそスタートの時。

みなさんこんばんは、魔法の国からやってきましたサリーです。

すみません熊澤です。

そういえば、私は昔からあだ名が定着していて、名前で呼ばれることが本当に少ないんですよね。
下の名前で呼ぶのは父と英語の先生くらいでして。
だもんで、いきなり下の名前で呼ばれると何だかドキッとしちゃうんですよね。
うん、何の話でしょう。黙ります。


さて、今回はドキッとする話ではありません。
トイレに関するストーリー。




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010_convert_20120630001439.jpg




カランカラン…

「はっ」
もう一度ペーパーホルダーに手を伸ばす。

カランカラン…

紙の感触は無く、無機質な鉄の冷たさだけが手に残る。

やはり無いのだ。
紙が無い。

入る前になぜチェックしておかなかったんだ…

「っくぁ~…」

俺は頭を抱えたが、こんな恰好で大の男が後悔していても仕方がない。
どうすべきか考えなくては。
ちなみに今の「大」とは、一人前の、とか成人した、とかいう意味であって、そっちの大ではない。そんな掛け方はこんな状況の俺でもしたくない。
…下らないことを考えている暇はないのだった。

ここは会社の地下2階。
資料が置かれている倉庫が延々と続くこの階は、人の出入りが少なく、ゆっくり用を足すにはうってつけの場所(トイレ)だ。
だから、仕事をサボりがてら、ここにはよく来る。
会社内で唯一落ち着ける場所なのだ。

しかしつまり、助けがやってくる確率もほぼ無いに等しい。

そこまで考えて、ピンと閃いた。
そうか。
人が来ないということは、このまま外へ出ても問題無いということだ。
ならば隣の個室からペーパーを拝借してしまえばいいではないか。

「悩むこともなかったか…」

流石にズボンを完全に上げることはできないため、ベルトの部分だけ持った状態で立ち上がり、前傾状態のままカギを外す。
ガチャ…

「ん?」

外れない。
噛み合わせが悪かったのだろうか。
ズボンを床に置き、今度は両手で試みる。

ガチャガチャッ…ガチャッ

おかしい、外れない。
普段あまり使われていない場所ではあるものの、会社自体が新しいため、このトイレも古くはない。むしろ新しいと言ってもいい。
よって老朽化のため鍵が開けにくい、という訳でもなさそうだ。
というか、この感じはむしろ…

「壊れた?」

自分で口にして、ようやく理解する。
この5分かそこらで私が腹痛と戦っていた時に、何が起きたのかは知らないが、どうやらドアの鍵が壊れたらしい。

「なんだよ…ツイてないな」

もう一度便座に座り直し、冷静になったところで、大事なことに気付く。

「ここ地下じゃねーか…」

つまり電波が入らないということだ。
そしてここは滅多に人が降りてこない、地下2階。
ペーパーが無いくらいであれば最悪何とかなっただろうが、出られないとなれば話は別だ。
これでは単に、閉じ込められただけだ。

ちらっと腕時計を見やる。
時計の針が14時23分を指しているのを確認して、俺は思わず顔が引きつった。
今日は15時から、新プロジェクトに関するミーティングが予定されている。
俺はメンバーの1人ではあるが、特に役職は無い。だが、ミーティングには他社の人間も同席することになっており、下っ端の俺が迎えに行く予定なのだ。
このまま連絡もできずすっぽかしたりなどしたら、大目玉を食うどころか、やっと参加にこぎつけたこのプロジェクトから除名されることさえあり得る。
そうなったら俺のカイシャ人生は終わりだ。

何としても早急にここを出なくてはならない。

改めて個室全体を上から下まで見回してみる。
ドアの下部分には隙間こそあるが、もちろん人一人抜けられるだけの幅はない。
上部分はかなり大きく空いているため、脱出するなら上からだろう。
しかし、意外と高さがある。
ぎりぎり165cmの俺には、ドアの1番上に手をかけるのは難しいかもしれない。
便座を足場代わりにするしか方法はなさそうだ。

不運にもこのトイレには蓋がなく、真ん中が大きく空いた状態だ。
なので、便座の部分だけを器用に使って立たねば落ちてしまう。
「よっ…」
ドアに掴まりながら、何とか立てた。
しかしこのままでは届かないため、ややジャンプしてドアの上部分に掴まった。

「うおっ」

飛びついてぶら下がったはいいが、すぐに腕が体の重みに耐えきれず、震えてくる。

「うっ…く…」

両腕だけでなんとか必死に身体を支えるが、万年文化部だった俺にはややハイレベルすぎる状態らしい。
せめて身長が高ければ、と両親を恨む。

もう少し高い足場さえあれば上までよじ登れるだろうが、今のままでは何とも中途半端な状態だ。
下手に降りたら降りたで、うまく着地できない気がする。

「くそっ…たくさんのペーパーホルダーでもあればいいのによ…」

ふとそんなことを口にした。
やけくそで思いつきの言葉だったが、なぜかその想像が頭から離れない。
始めからたくさんのホルダーがあれば、1つのペーパーが無くなっても、慌てて入れ替える必要もない。
そしてこんなことは稀だろうが、俺みたいに閉じ込められた時には、足場として大活躍するだろうに。

(俺が自分の店を持ったら、絶対トイレには大量のホルダーを取り付けてやる…!)

弱冠26歳のぺーぺーのサラリーマンは、何ともくだらない野望を抱いていた。
その時、力を抜いてしまい、手が外れた。

「?!うわっ!」

腰から便座に落ちる…!!
!しまった流してねぇぇぇぇぇ!!!!

「あああぁぁぁぁ!!!!…」





……………

………





「はっ」

気付くと、そこは俺の家だった。
どうやら夢を見ていたらしい。
俺はくの字の状態でベッドから落ちていた。

「ハァ…ハァ…ゆ、め…だったのか…」

映像や落ち方があまりにリアルだったためか、動悸が止まらなかった。
ただ落ちた衝撃ゆえか、夢の内容が一気に飛んでしまった。
まぁ何にせよ、すごくくだらない内容だった気がするからいいが。


ふと、頭の中にペーパーホルダーの映像が浮かんだ。

“たくさんのペーパーホルダーでもあればいいのによ…。”

夢の中でそんなことを言っていた。
そうだ、確か俺が入ったトイレにはペーパーが無く、なおかつ個室に閉じ込められ、何とか脱出を試みていたのだ。
その時にくだらない野望を抱いたことも同時に思い出す。

“俺が店を持ったら…”

言いようのない熱意が溢れていた。

なりたくもないサラリーマンになり、毎日毎日サボることばかり考え続け、カネのために過ごしてきたくだらない日常。
俺は今、やる気に満ち溢れている!
俺は自分の店を持ち、成功させてやる!

―――こうして彼は予てからの夢であったラーメン屋を営むことに決め、会社を辞めた。
もちろんその店には10何個のトイレットペーパーホルダーを取り付けた、万が一にもお客様が困ることが無いように。

そしてその店は大繁盛し、地方から東京進出も叶い、今でも根強いファンが多いという。

その店の名は『○蘭』と言うそうだ―――――。


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はい、今回ガチで写真にヤられました。
当初写真を見るまでは、「どんな写真が来ても、ラブコメに変えてやるぜ☆てへぺろ(>ω・)」と思っていたのですが、無理でしたね。結構無理でした。

あまりに案が出てこないので、

[トイレットペーパーホルダー たくさん]

で検索したところ元ネタが発見できたので、あえてリアルに絡めてみました。

「人生何が起こるか分からない、分からないから楽しいんだ」という、メッセージ性あふれる作品になりましたね。(無理矢理)
とりあえず本当に難しかったです!笑


ではお次の写真はこれ!

お題

電車乗ろうとしたらなぜかカメラ機能に切り替わってて、偶然撮れちゃった写真です(笑)
我らのアイドル、浅野さんお願いします(^ω^)
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