大人の階段

明治大学国際日本学部宮本ゼミ2期生のブログです。

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2012/06/26(Tue)

【第9回】夜の出来事

こんばんは…朝更新でもこんばんは…最近早寝早起きで元気いっぱい☆山中華穂です!

IMAG0145.jpg

前回の山口君の写真―――ラブコメか馬の一人称かほっこりストーリーか散々迷いましたが(笑)
さて。
この山口君からの写真は、騎士の持つ剣の先までは写していないようですね。
ということで、こんなお話はいかがでしょう―――?




ある夜、魔女が箒で空を飛んでいると、馬を木の枝に繋ぎ河のほとりで1人の騎士が剣の鍛錬をしていた。魔女よりも年上だろうか、凛々しい青年であった。河のほとりの上空は職場から魔女の家への帰り道だから、毎夜騎士を見て帰るのが日課になった。
やがて騎士の一心に鍛錬に励む姿に魔女は恋に落ちた。見ているだけでよかった。魔女の奥手な性格と「魔女」として忌み嫌われる自身への劣等感で、騎士と会うなどとはとても考えられなかった。


しかし、ある夜河のほとりを覗くと、騎士の他にもう1人、ローブを纏った人影があった。
女だ。笑っていた。隣の騎士も笑っていた。その光景に魔女は無性に腹が立った。
しかし、怒りを抑えることにした。なぜなら笑っている騎士がとても幸せそうだったから。
「幸せを壊してはいけない」
魔女は静かにその場を去り、家に着くと寝台に飛び込み一晩中泣いた。


魔女にとってそれは胸が苦しいことだったが、それでも騎士を見るのをやめなかった。

それが10日間続いた。

11日目にして、ようやくと言うべきか、おかしなことに気が付いた。
毎夜、女が変わるのだ。
どうやら騎士は見かけによらずプレイボーイであるようだった。自分の発見に驚きながらも、落ち着いて河のほとりから視野を広げていくとさらにおかしいことに気が付いた。
あちらには7日前の女、むこうの石の陰には3日前の女、馬を繋いだ木に潜んでいるのは9日前の女、草陰には4日前の女と昨夜の女etc…過去の女たち――10人いた(なぜ今まで気付かなかったか!)――が世にも恐ろしい形相で騎士を見ていたのだ。
魔女は静かにその場を去り、家に着くと寝台に飛び込み一晩中震えた。


次の日の夜、魔女は早めに職場を出て河のほとりに降り立った。まだ誰もいないように見えたが、魔女は知っていた。すでにこの場に3人いること、毎度馬にたかるハエと草むらの蛙がそれぞれ6日前と11日前の女で、その2人は自分と同じ「魔女」であることを。もう1人――7日前改め8日前の女だ――も近くに潜んでいるはずだがわからない。知っている風に堂々としていれば何とかなると思い、魔女は辺りに呼びかけた。


「貴女たちは騎士様をどうするつもりなのですか。場合によっては見過ごせません!」

魔女たちは変身を解き、互いに距離を取って魔女の前に姿を現した。さらに、草陰のあらぬ方向から8日前の女が雑草を両手に立ち上がった。3人は血走った目で魔女を睨みながら答えた。

8日前の女「ダンテ様は渡さないから…私が一番愛してるし、愛されているもの…!」
6日前の魔女「あんたね、ダンテを困らせてる奴って!!」
11日前の魔女「…ようやくお出ましですか。邪魔をするなら排除ケロ…あっ、排除します」

3人は冷静ではなく、いつ互いを襲って殺し合いになっても不思議ではない殺気を放っていた。

「お止めなさい! 確かに、騎士様は貴女たちの心を踏みにじった憎い人でしょう。ですが、それで貴女たちが争うなんてしてはいけないし、まして騎士様を葬ろうだなんてもってのほ…」

6日前の魔女「あんたが一番邪魔なんだよ」

6日前の魔女が放った包丁は、ちょうど魔女の胸に深く突き刺さった。それを皮切りにして、他の2人もすでに事切れた魔女のもとに向かった。


その夜、河のほとりにやって来た一組の男女が第一発見者となった。
草むらに無残に転がるその亡骸は損傷が激しく、辛うじて女だとわかったという。
その亡骸には首が、無かった。

鬨主」ォ_convert_20120625145736
(女オンナややこしいので設定にこだわる方へ一応↑)





街でぶちまけてしまった絵具を一緒に拾ってくれた時から、僕は彼女をずっと見ていた。
毎朝、近所の孤独な老人の面倒を見に行く真面目な彼女、職場でコーヒーを上司にぶちまけるドジな彼女、魔女の身分を卑下されてもめげずに明るく振る舞う彼女、毎晩僕をとろけるような熱い眼差しで見つめてくれた彼女、声を押し殺して夜通し泣いていた彼女、嫉妬に狂う3人の女に惨殺され血を纏う美しい彼女―――嗚呼、この作品を作ったらすぐに会いに行くよ。

芸術だけで飯を食うには限界だった。

だから、せめて彼女…キミへの愛を作品にして残してから…と考えたら、僕の恋も芸術家としての人生も花を咲かすことができる方法に思い至ったんだ!! それからだよ、借金をして馬を買ったり、慣れない剣を素振りしたり、絵のモデルを誘い出して意味のない話をしたり。――慎み深いキミはそれでも僕に会いに来てくれなかったけれど。

あの時いっそ殺されたとしても本望だった。心優しいキミが殺してしまうほど僕を愛していたということだからね。だけどね、キミが僕を想って泣いてくれたあの夜に、やっぱりこうしようって決めたんだ。


さて―――剣の先にキミの麗しい首を飾って最高傑作の完成だ!!


「もういいよ、僕のこと好きにしてくれて」

「「「「「「「「「「「「ダァアンテェエエーーーー!!」」」」」」」」」」」」 


12人の女たちが僕に襲い掛かる。
こうして体が切り刻まれようと、所詮相手はエキストラ。やはり僕の心臓は高鳴ることはない。

お待たせ。
計画から13日目の夜、僕はようやくキミと一緒になれるんだ。




ダンテ「この作品を写真に撮る時はもちろん2人一緒に撮ってくれてるだろ? ミスター・ヤマグチ……?」
………だそうです。どうでしたか山口君?  

次回は金曜日、こちらの写真でお願いします木村(夏)さん♪

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