大人の階段

明治大学国際日本学部宮本ゼミ2期生のブログです。

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2012/07/17(Tue)

【第15回】ヘタレ脱却

こんばんは。辰巳です。

今回は画像は後でつけます。
それでは。




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朝、けたたましい目覚ましの音で起こされる。いつものことだが、休日明けの月曜日ともなればその音はいっそう頭に響く。
それで渋々起きて、だらだらと学校に行く準備をしていると次に来るのが―
「起きろーー!ほら早く、遅刻するよ!!」
このうるさい声。近所の幼馴染だ。
そりゃもう本当に腐れ縁っていうか、家が近いから中学校まで一緒だし、挙句の果てになぜか高校も一緒。
近いからってのが一番の理由だし、さすがにクラスは違うけど。
幼馴染が萌えるとかそういう話もよくあるけどそれは断じてない。まあそんな話はどうでもいい。
「なんでいつもこうなるかなーもうちょっと目覚まし早くかければ?」
といつも文句を言われる。
なぜか毎日学校へは一緒に行っているわけで、文句言うくらいなら置いて行けばいいのにといつも思っている。が、言っても無駄なので諦めている。
なんか俺完全に尻に敷かれてるな。


学校にて。
昼休みはいつもの友達とご飯を食べる。
「あちー、今日最高気温35度らしいぜ?」
「まじかよ。もうすっかり夏だなー。」
「そろそろ夏休みだしな。早く遊びてえー!」
「ほんとそれ。花火大会とかいいよな。」
「心霊スポットとか行ってヒヤヒヤしたいわ!暑いし。」
「俺怖いの嫌だわ、それパスな。」
「えー、行こうぜ。都市伝説とか怪談とかネタ用意しとくから!」
「そういうのも俺信じないもん!他のやつと行ってこいよ。」
「なんだよーつれないなー。あ、伝説系で思い出したんだけど、東京タワーのライトアップが消える瞬間を一緒に見たカップルは永遠に幸せになれるってあんじゃん?有名なやつ。」
「あー、知ってる。けど俺そういう伝説信じないんだって。ていうか別に相手もいないしな。」
「は?そうなの?てっきりいるもんだと思ってたんだけど。」
「いやいや彼女いないことくらいお前よく知ってるだろ?」
「別に彼女とは言ってないけどな。よく遊びに行ってるヤツいるじゃん?」
「それはそういうんじゃなくて単に俺が連れまわされてるだけなんだけど…。」
「と思うじゃん?」
「いやまじだって。何かあるならとっくにどうにかなってるだろ」
「と思うじゃん?」
「ほんとお前この話題になるとしつこいな。ないって。」
「それがお前ヘタレだからさー。なかなか行動に移せないか、あるいは単純に自分の気持ちに気付いてないただのヘタレだと俺は読んでるんだけど。」
「おいどんだけ俺下に見られてるんだよ!ないないない。」
「お前、それさー、ごまかしてるだけじゃね?いい加減ヘタレ脱却しろよー。東京タワーの伝説利用して告っちゃえよー。」
「…。うるせ。お前にヘタレとか言われたくない」
ちょっとイラッときてから少し考えて、ん?ってなった。
待て、何この流れ。まるで俺が幼馴染のことアレみたいじゃん。
冒頭でそんなんありえないって説明したばっかなんだけど。んなバカな。んなバカな…。


いつものように連れまわされる休日がやってきた。
無理やり家から引っ張り出される。
「今日花火大会なの!行くよ!」
ああそんな日だっけ。こないだ昼休みに花火大会行きてーって話してたの早くも叶っちまった。
「て、お前浴衣とか着ないの?」
「はあ?なんであんたと行くのに着なきゃなんないのよ!暑いしめんどくさい。」
「めんどくさいって…そのくらい頑張れよなあ。」
あれ。俺ちょっと浴衣姿見たいとか思ってるじゃん。動揺。
この前昼休みにあんな話したからだと思いたい。

屋台に寄っては食べ物を買わされ、飲み物を買わされ。
「お前ちょっとは遠慮するって考えないの!?」
と言っても平然とスルー。
まあ楽しそうにしてるからいいか。
…っておい。またこれだ。今日の俺はどうにかしてる。

やがて花火が打ち上がり、周りの人達もみんな空を見上げる。
「きれいー!!」
そういって隣ではしゃぐ。
まったくこういうとこは可愛…いやいや違う違う。
とにかくいつもこのくらい素直でいてくれればいいのに。とうっかり浮かんできた感情を必死で打ち消す。

花火なんてあっという間で、ボーっと見上げていたらいつの間にか終わっていた。
「終わっちゃったー」
「はえーな。まだ時間あるし混んでるしぶらぶらしてから帰るか」
といって歩き出す。
もしかして俺こいつとまだ一緒にいたいとか思ってる?
おかしいな。こないだ昼休みに話したことに影響されてるだけじゃなかったのか。
そんなことを悶々と考えながら歩いた。


ぶらぶら歩いているうちに、東京タワーの目の前に来た。
花火大会から流れてきた人もいるらしく、付近はこの時間にしてはかなり人が多い。
奇しくも時刻は23:55。これはあの伝説を思い出さずにはいられない。

―もう俺、ヘタレ脱却の覚悟を決めるしかないのか。
いや、自分がヘタレだなんて認めたくはないけどさ。

当の本人は色々考えてる俺に全く気づいていないのか、
「うわー晴れてるしいい感じに見えるー!てかこんな時間なのに人多いな!」
とか能天気に言ってる。
「いや当たり前だろ、そろそろじゅ…」
言いかけて、でも説明したらネタバレになってしまうことに気づいて途中でやめた。
こんな時間にこんな場所にいたら、これから何が起こるかくらい少しは分かってて欲しい。鈍感かこいつは。

手をつなげるかつなげないかくらいの、もどかしい距離。
不安なんか言い出したらキリがない。
ていうかなんでこんな展開になってるんだよ。いきなりにも程があるだろ。
あーもう、どうにでもなれ。







東京タワーの目の前に来た。
さすがに私だって知ってる。0時ちょうどにライトアップがなんちゃらってやつ。
「うわー晴れてるしいい感じに見えるー!てかこんな時間なのに人多いな!」
照れ隠しで言ったのに、
「いや当たり前だろ、そろそろじゅ…」
とかなんとか言いながら呆れ顔してる。
こっちが薄々気づいてることには全く気づいてないらしい。つくづく鈍感すぎて呆れる。
肝心の時間になってもヘタレなら文句言ってやろっと。
少しドキドキしつつ、平静を装って東京タワーを見つめた。







写真




ヘタレ脱却まで、あと5分。








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はい。
恋愛系の話を書くのは絶対無理だからどうにか違う方向に逃げてやろうと思ってたんですが、もうこの写真では逃げられないと悟って開き直りました。

ライトノベルとかでありそうな感じにしましたが字数的に急展開すぎてすいません。(笑)

結末は皆さまのご想像にお任せします!





というわけで、このテーマも残すところあと2回になりました!
次は中田さんです!

画像はこちら~。

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